椅子の張り工法

【椅子の張り工法】

椅子の張りとは、椅子製作過程で、座、背、肘に詰め物をほどこし、それらを上張り材で覆う方法。

 

 1)薄張り

   構造材、下地材(木材、金属、樹脂)やデザインにより異なるが、
   薄張りの場合には、一般に衝撃を吸収する工夫を優先する必要が
   あり、薄く張ったパーツ(座面、背面など)を取付ける場合や構
   造体に打ち付け巻き付けなどの方法がある。

 

2)厚張り

   近年特に構造体(材)に直接張込む(糊で張付け又は打ち付けグ
   リップなどで取付ける)イスが多くなってきました。
   厚張りは衝撃吸収材やクッション材の選択の幅が広く、用途に応
   じた効果的な張り方、ソフトでルーズ感のある張り方、ハードで
   シャープな張り方などが可能であり、リビング用のイスや高級な
   イスの張りに多い。

 

3)あおり張り

   あおり張りとは、イスの前台輪の上、かさ木の正面、肘掛け板の
   上などに巻き数の少ないバネを取付、体の当たりを柔らかくした
   張り方で、一般に、前あおり(イスの前だけ)、三方あおり(イ
   スの前と横)、四方あおり(すべて)の3種類があります。あお
   り幅が大きいほどクッション機能が効果的です。

 

4)カバーリングシステム張り

   カバーリングシステム張りは本体に対し上張りを着脱しやすいよ
   うに加工した張り方で、上張り(カバー)の取替が容易であり、
   カバーの固定は、紐、マジックテープ、ファスナーなどである。

 

5)その他

   藤張り、コード張り(ペーパーコード、樹脂コード、ロープ類)
   キャンバス張り(帆布)、テープ張りなどがある。いずれもフレ
   ームに編み込み、張り渡し、張りぐるみで作られる。