
インテリアの家具の変遷
【インテリアの和家具について】
伝統的な日本住宅では、家具と言う概念が希薄でした。歴史をさかのぼってみても貴族の邸宅である寝殿造りでは寝殿と呼ばれるワンルームに近い空間に調度類をしつらえて生活する舗設の住様式をとっている。これは伝統的な和の生活の底流となるものである。
代表的な調度類として、厨子、屏風、脇息などがあります。また、近世に入ると今までの収納家具であった櫃(ひつ)や唐櫃にかわって長持ちや箪笥(たんす)が普及するようになり、また、机類としては、食器を載せるテーブルのような台盤や平安時代の貴族の膳として使われていた衝重(ついがさね)などがあります。
ちゃぶ台は明治以降、家族で食卓を囲むようになって普及したものです。
※精巧な技術を駆使して生産される日本の和家具には世界的に見ても高い水準にある。
【代表的な和家具とその特徴】
- 桐箪笥(生産地:新潟県加茂市、愛知県名古屋市など)
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桐箪笥の特徴は、衣類を保存するのに適した材質であるということですが反面柔らかく、傷つきやすく汚れやすいという欠点がある。最大の長所は、古くなって日焼けしても削って再生ができることです。
- 塗り箪笥(生産地:京都を中心)
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桐や杉に黒漆を塗りたて、蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)をほどこした工芸的なものが主流。
- けやき箪笥
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けやき材に拭漆で仕上げをし、牡丹(ぼたん)や唐獅子などの飾り金具をつけたもの
- 座卓と文机(生産地:香川県讃岐、石川県輪島、長野県木曾)
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漆仕上げが多い
- 鏡台(生産地:静岡、阿波)
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静岡の漆塗り鏡台、阿波の黒檀を使った木地物などがある。
- 唐木家具
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唐木と呼ばれる紫檀(したん)、黒檀、花梨、鉄刀木(たがやさん)などの南方材(インドネシア、タイ、シンガポール、台湾など)を使って作られる家具のことである。
現在、台湾製が半分以上を占めていますが、国内産地としては、大阪、大分があり、製品の種類は飾り棚、座卓、文机、台などの家具のほか硯箱(すずりばこ)、額、盆、衝立(ついたて)、膳などの小物もあり、継目はすべて組み込みで針は一切使わないのが特徴である。 - 民芸家具
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民芸家具は柳宗悦氏の民芸運動の精神を受け継ぎ創作されました。松本民芸家具、北海道民芸家具、北九州つくしの民芸家具などがある
【洋家具】
現在、クラシックスタイルとして用いられている多くものは18世紀以降、ロココ様式や新古典主義(ネオクラシズム)のものですが、クラシックスタイルでコーディネートする場合に最も気を配らなければならないのは、様式の混用であり、デザインやカーテンの吊り方までとひとつひとつが様式によって異なっていることであります。
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